北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない 「なぜ日本の会社は生産性が低いのか（熊野英生著・文春新書2019刊）」を読んだ。熊野英生（くまのひでお1967生れ）氏は、横浜国大（経済学部）卒で、日銀を経て、2000年に第一生命/経済研究所に入り、2011年より、首席エコノミストを務めて…… more いる。----- ご自分も含めて部下のいない“ワンオペ管理職“であり、日本の生産性の最大の低下要因であると嘆いている。少子高齢化は若年労働者数の減少と、非正規雇用の増大により、若年正規社員の人口ボーナスは見込めず、スキルの継承やその教育もできなくなってしまっており、更に生産性の低下が続くと予想されているのだ。日本の生産現場はお先真っ暗と云えようか。----- 熊野英生氏は元日銀マンで金融政策の専門家であり、日本のサービス業や建設業が全体の生産性を低下させていると分析はしている。しかしそのマイナス要因を撥ね退けて世界に伍する生産性の向上には、イノベーションが欠かせないと結論付けている。文系人士であり、理系の科学的知識に不足するので、単なる作業手順改良のアイデアとイノベーションを混同されているようで、参考文献を眺めると、全体を大まかには把握しているが、系統だった論旨が欠けていると思われて少しく残念である。----- それでも日本のホワイトカラーの職場の生産性の低さを暴露しておられる点では、良く書いておられると思った。 close

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街（その９９４）