北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない 「日本をどのような国にするか～地球と世界の大問題（丹羽宇一郎著・岩波新書2019刊）」を読んだ。丹羽宇一郎（にわういちろう1939生れ）氏は、名古屋大学（法学部）卒で、伊藤忠会長、中国大使を経て、現在は日中友好協会会長を務めている。----…… more - 「日本をどのような国にするか」では、“”地球温暖化問題“、”地震予知対策“、”ＡＩは私たちの社会をどこまで変えうるか“との3点に関して、日本のトップの専門家と対談を試みて、丹羽宇一郎氏の文系人士として心もとない科学の可能性を問い糺している。その他の分野は文系の及びうる分野であり、”日本は絶対に戦争をしてはいけない“とか、”エネルギーと食糧を輸入せねばならない国であることを肝に銘じよ“とか、”2割のエリートが6割を引率して国を前進させよ、後の2割は置き去りにせざるを得ない“とか、”科学者を育てることが最重要だが、リベラルアーツを心得た人材もチームに置きなさい“などと日本の企業/国/組織のあるべき道を具体的に書いている。----- 丹羽宇一郎氏の関わって来られた共産中国であっても、リーダーは全てインテリであるのだから、日本だけが“皆とんとん”ではグローバル社会で生き残れないと諭している本なのである。---- 中国の人材獲得競争の技術者ランクは壮烈であり、Ａランクの博士号所持者には5000万円以上の年収を与え、一番下のＥランクの修士号、学士号の所持者でもこれはと思われる人材には研究の補助、生活の補助費を応分以上に拠出することで、優秀な技術者を集めているそうである。日本の縦型社会では、優秀な科学者・技術者が相応の待遇を受けられない仕組みとなっているのだから、今後これをなんとかして打破せねばならないとも過激に書いている。多分体育会系の人材とかは生き残れなくなるのだろうが、また、丹羽宇一郎氏自身のような文系人士も多くは出世できない社会になることだろうが、技術で世界にくみするには仕方がないと檄を送っているのだ。 close

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街（その１０３７）