北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない 「なにもない旅なにもしない旅（雨宮処凛著・光文社知恵の森文庫2010刊/小説宝石連載2009.5～2010.4の文庫化）」を読んだ。雨宮処凛（あまみやかりん1975生れ）女史は、作家で、プレカリアート（貧困を強いられる非正規雇用者/失業者の…… more 総体）活動家を任じている。2001年に右翼団体から離脱してより、左傾化したと表明している。----- 「なにもない旅なにもしない旅」の“まえがき”を読むと、余り期待しないでくれと次のように書いているのだ。“がむしゃらに前向きな生き方をするよりも、ぼんやりのんきに生きていきたいという人にはなんらかの形で10年後くらいには役に立つかもしれない”----- 訪れた先は１２地点であり、列挙して置く。「寸又峡温泉」、「高知」、「韓国」、「国会議事堂」、「立石/亀戸/川崎./鶴見」、「湯西川温泉」、「三浦半島」、「草加/御徒町/上野/秋葉原」、「苫小牧」、「木更津」、「網代鉱泉」、「阿字ヶ浦」----- 秘書業の女性と女二人旅で、裏寂れた懐かしくてどうしようもなく置き去りにされたような街で、それでも“オッサン達”が昼間っから酒を飲んでいたりする雰囲気の中で慰められるようでそうでもない様な、だるく感じる街で、ちっぽけな居酒屋を訪れて美味しくもない肴（さかな）を当てにしてビールを飲むのである。最後まで、誰も行きたくもない東京近郊や、酒飲み県の高知と北を含めた韓国など、兎に角、起承転結もなく読了と相成るのである。 close

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街（その９９１）