北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない 「毒親の正体～精神科医の診察室から（水島広子著・2018刊）」を読んだ。水島広子（みずしまひろこ1968生れ）女史は慶應大学（医学部）卒で、同大学院修了し、同医学部（精神神経科）勤務、衆議院議員（民主党/2000～2005）を経て、現在は精…… more 神科クリニック院長である。----- 「毒親の正体」は“おどろおどろしい”タイトルであるが、精神医学的に臨床診断していくと、親に精神障害の傾向があることが多いのであり、子供の責任ではないと云う事が多々分かってきており、そのような親にこそ問題がある場合を“毒親”というのだそうである。“毒親”の用語が日本で広まったのは、「ＴＯＸＩＣ　ＰＡＲENTS/毒になる親（スーザンフォワード著1989刊）」が10年遅れの1999年に日本で出版されてからとのことである。----- 毒親のタイプは４つであり、次の通りとのこと。「発達障害タイプ（ＡＳＤ/自閉症スペクトラム障害＆ＡＤＨＤ/注意欠如＋多動性障害）」、「不安定な愛着スタイル（不安型と回避型）」、「うつ病などの臨床的疾患（トラウマ関連障害/アルコール依存症）」、「ＤＶなどの環境問題（深刻な嫁姑問題/育児に対する心の準備不足）」について、一つ一つ詳しく事例を上げて解説をしてくれている。----- 精神神経的な障害を抱えて、対人関係に齟齬を来してしまう病（やまい）を、アメリカ流に精神科医として治療する療法は自由診療（保険が利かずお金がかかる）であり、日本には数少ないようだ。それでも読んでいると、時間をかけて専門医の度重なる治療を受ければ多くの精神神経的な障害は回復できるものであるようだ。----- 兎に角、子供を育てる親なら誰でもが精神的に大人の筈だと考えるのだが、大人もそれ程に立派ではなくて、精神的障害を持つ親が子を育てると問題児が生まれるとか、子供にも精神障害が発現するというのである。放っておくとダメだがしっかりと専門医の治療を受けなさいと薦めているのである。日本ではまだまだ遅れている医療分野なのだなと考えさせられた。 close

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街（その９６９）