「埼玉県立浦和高校～人生力を伸ばす浦高の極意（佐藤優＆杉山剛士共著・講談社現代新書2018刊）」を読んだ。佐藤優（さとうまさる1960生れ）氏は、同志社大学大学院（神学研究科）修了後、外務省に入省した。2005年、「国家の罠」にて作家デビューしている。杉山剛士（すぎやまたけし19…… more 57生れ）氏は、東大大学院（教育学研究科）修了後、埼玉県教員となり、現在は浦和高等学校校長（2018.3定年退職）である。同書は2015年9月に佐藤優氏が母校で講演されて以降の遣り取りを纏めたものであると云う。----- 「埼玉県立浦和高校」では、日本の公教育の中で、都道府県の公立トップ校の生き残りと云うか復活が頼もしいと書いている。浦和高校で総合知を学んだことが、以後の人生を生きるプライドとなっているとも述べている。戦後、私立中高一貫校が難関大学への近道となって久しいが、日本の公立中学校と公立高校の教科カリキュラムの繋がりが良くないために、1年程度のロスが生じており、公立トップ校から難関大学を目指すためには1浪も止むを得ない訳である。それでも公立トップ校には未だ夢があるのではないかと、佐藤優氏は自身の経歴を話しながら後輩を諭（さと）しているのだ。------ 奈良県下では公立トップ校として奈良高校があるが、在りし日の奈良高校までの復活は未だのようだ。優秀な生徒を集めることも大切だが、優れた先生方を集めるのも両輪として必要だから、郡山高校や畝傍高校にも平等に配分する事は出来ない。人間は生まれながらに平等の権利を有するのであるが、能力に応じての話であるのだから仕方が無い。選良になれば、その代りに、誰かが社会を機能的に支える仕事をせねばならないのだから、世のため人のためを肝に銘ずべきであることは論を俟（ま）たない事であるが。 close

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街（その６２１）